中古車販売店の営業教育|属人化を排除して“誰でも売れる仕組み”をつくる方法
2025.11.03
「営業マンに差がありすぎる」
「新人が育たない」
「トップセールスが辞めた途端に売上が落ちた」
もしあなたの中古車販売店で、そんな現象が起きているなら──
それは単なる“人材不足”の問題ではありません。
それは、あなたの会社の“営業教育”に、構造的な欠陥があるからです。
実は、私もかつてまったく同じ悩みを抱えていました。
営業マンの能力に差がありすぎる。
「売れる人は感覚で売るが、売れない人は何をしても売れない。」
そして、売れる人ほど突然辞めていく。
「営業はセンスだ」「経験を積めば伸びる」
そう信じていた頃は、数字が安定せず、現場の空気もギスギスしていました。
でも、ある瞬間に気づいたんです。
「営業を“個人の才能”に頼る限り、会社は永遠に不安定だ」と。
そのときから私が取り組んだのは、
営業を「属人化」から「仕組み化」へ変えることでした。
つまり──
“売れる人が偶然やっていること”を、
“誰でも再現できるプロセス”に変える。
それが、営業教育の本質だったのです。
この「仕組み営業」を導入した結果、
新人でも初月から結果を出し、トップセールスに依存しない体制が整いました。
・商談の成約率は平均25%→43%へ上昇
・教育コストは半減
・スタッフの離職率は3分の1以下に
そして何より、
「人が辞めても売上が落ちない」会社になった。
これこそが、経営が安定する最大の利得です。
実際、仕組み化を進めた他店でも同じ結果が出ています。
僕がコンサルした、ある地方の中古車販売店では、
営業教育の流れを「ヒアリング・提案・見積・クロージング」と明文化。
その結果、
新人でも2ヶ月で月5台以上を安定して販売できるようになった。
と報告を受けました。
なぜか?
営業の“感情要素”を減らし、構造化したからです。
では、具体的にどんな仕組みを整えればいいのか?
① 営業のプロセスを“見える化”する
まず、売れる人の行動を全部分解して、
「営業フロー」として共有します。
来店時の第一声
ヒアリング質問集
提案資料の出し方
クロージングのタイミング
これを営業マニュアル+ロールプレイングで繰り返す。
誰でも同じ体験を提供できるようにする。
② “感情営業”ではなく“設計営業”へ
営業力は気合でも根性でもありません。
「どの順番で、何を伝えるか」
「どんな表現で、不安を安心に変えるか」
それを設計図レベルで定義することで、属人性が消えます。
③ ロープレ×フィードフォワードで未来を伸ばす
社員教育の現場で最も効果的なのが、
「ロールプレイング × フィードフォワード面談」です。
「ダメ出し」ではなく、
「次にどうすれば良くなるか」を一緒に考える。
この文化を根づかせることで、
社員は自ら考え、学び、成果を出すようになります。
④ 営業ツールを整備して、提案を統一
属人化をなくすためには、誰でも使えるツールを整備すること。
ヒアリングシート
自社の強み
クロージングスクリプト
これを使えば、誰が提案しても“同じ安心感”を提供できます。
営業教育の目的は「人を育てる」ことではなく、
「売れる仕組みを育てる」ことです。
もし今、あなたの会社が「人材の出来不出来」で売上が左右されているなら、
それは教育の問題ではなく、仕組み設計の問題です。
そして、仕組みを整えるのは「今」がチャンスです。
この考え方が特に効果を発揮するのは、地域密着型の中古車販売店です。
大手のように広告や人材に潤沢な資源がないからこそ、
「仕組み化」と「再現性」で勝てる。
逆に大手は人が育つ前に辞めたり、
新規出店でどんどん採用するため、
素人が車を売っているケースが非常に多い。
だからこそ営業教育を“システム”に変えれば、
あなたの店は地域のどこよりも安定して利益を出せるようになります。
さあ、今日やるべきことはひとつ。
あなたの会社の「営業フロー」を一度書き出してみてください。
どこに感情が入りすぎているか、どこが人によって違うか。
それを“共通の型”に落とし込むことで、
あなたの会社は「人に依存しない営業組織」へと変わります。
「あなたの会社の営業は、“人”で売れていますか?
それとも、“仕組み”で売れていますか?」
未来の安定をつくるのは、“才能”ではなく、“設計”です。
