車屋の長期在庫の活用方法!長期在庫は“売れない商品”ではなく“資産”である
2025.09.05
中古車販売店を経営していると、誰もが一度はこう思ったことがあるはずです。
「このクルマ、もう半年以上売れてないな……」
展示場の片隅で、ホコリをかぶりながらお客様を待つ長期在庫。
まるで“負債”のように感じてしまうかもしれません。
私も以前在庫車を並べていた時はその長期在庫を見るたびに、
「仕入れに失敗したなぁ」と思いました。
なので、今回は車屋の長期在庫の考え方と販売方法について書きますね。
先ずは長期在庫に対するマインドセットです。
そもそも、その車単体で利益を得ようとするのはやめましょう!
余計に赤字が膨らむだけです。
モノには相場があります。
その相場度外視で無視していても、売れません。
けれども、
長期在庫は、実は“チャンス”でもあるのです。
今日は、その長期在庫をただオークションで損切りするのではなく、
売上以外のメリットを引き出すための3つの戦略をお伝えします。
1. 共有在庫として“他社の力”を借りる
まず最初に考えるべきは、在庫を自社だけで抱え込まないことです。
「ASワンプラ」や「テントリ」といった共有在庫サービスに登録すれば、
あなたの展示場に足を運ばないお客様にも情報が届きます。
たとえば、同じ県内でも別のエリアでは「ちょうどこの車を探していた!」という人がいるかもしれません。
販売ネットワークを広げることで、長期在庫が“売れ残り”から“一点もの”へと変わるのです。
2. 特別なオファーとして顧客に提示する
次に有効なのが、顧客への“特別オファー”として長期在庫を活用することです。
「LINEユーザー様限定で、この車両を特別条件でご案内します!
理由は○日間売れなかったので、どうせオークションで売って赤字になるなら、車屋の卸価格で特別にご案内!
オークションに出品するまでの○日間限りのお車です!」
この一言で、お客様に「特別扱いされている」という心理効果が働きます。
価格を下げることが目的ではなく、“特別感”と”その理由”を演出することがポイントです。
さらにいつまでというフレーズで”限定感”も演出できます!
理由のない安さはお客様は嫌います。
理由が正当であれば、お客様はお得に感じます。
そうすることで「在庫処分車」ではなく「掘り出し物」に変わるのです。
3. 自虐ネタとしてSNSで発信する
3つ目の戦略は、一見意外に思われるかもしれません。
それは── 「自虐ネタとしてSNSで発信する」 ことです。
「もう半年売れてません、この子…」
「展示場の番人になりつつあります(笑)」
こうしたユーモアある発信は、驚くほど再生されます。
そしてその投稿を見た人から、**「逆に気になるから見に行こうかな」**という問い合わせが来ることも。
今の時代、ただ車を売るだけではなく、“ストーリーを売る”ことが差別化になります。
在庫をネタにして話題をつくれば、それは広告費以上の価値を生むのです。
損切りではなく、“別の利益”を得る発想へ
もちろん、長期在庫は多少の損は避けられません。
ですが、オークションでただ値を下げて処分してしまうのは、もったいない。
共有在庫化で販路拡大
特別オファーで顧客との絆を強化
SNSで話題化しブランドを広める
この3つを実践すれば、長期在庫は**「利益を削る存在」から「新しい価値を生む資産」へと変わります。**
まとめ:長期在庫は“アイデア次第”で武器になる
最後に、あなたに問いかけます。
「今、展示場の隅で眠っている長期在庫は、本当に不要な負債ですか?」
見方を変えれば、
それは「他社にはない広告材料」であり、
「顧客に喜ばれる特別オファー」であり、
「SNSで拡散できる話題のネタ」でもある。
つまり、長期在庫は、アイデア次第で強力な武器になるのです。
オークションで損切りする前に、一度、この3つの戦略を試してみてください。
きっと、あなたの在庫の見え方が大きく変わるはずです。